巻き始め、巻き終わり、巻き方向の判断

本文中に何度か、「巻き始め」、「巻き終わり」、「巻き方向」という言葉がでてきます。なんだか、分かりそうで分かりにくいので、ちょっと御説明を。
 ご承知の通り、P.U.はコイルですので、ポールピースやボビンの回りに細い導線をぐるぐると巻き付けて行く訳です。そうすると、まあ、当たり前の話ですが、必ず導線に「巻き始め」と「巻き終わり」ができます。この「巻き始め」と「巻き終わり」をそれぞれ外にリード線で引っ張りだして、ポットやセレクターの端子、又はアース部分に繋ぐ訳です。STの場合は、大概巻き終わりが白いリード線に繋がっていて、セレクターに入っています。つまりホットになっているわけです。巻き始めは大抵、黒線に繋がっていて、アースに接続されています。見分ける方法は右図を参照して頂ければ分かりやすいのでは。(文章では非常に書きにくいのです。)
 又、巻き方向ですが、これも当たり前なのですが、コイルを巻くときは、普通は本体を回転させて導線を巻取っていくわけです。そのときの回転させる方向がそのまま巻き方向になります。人によって、右巻き、左巻きとか、色々言い方がありますが、私はP.U.を上から見て、「時計回り巻き」、又は「逆時計回り巻き」と言うようにしています。(なので、このHP上でもそれで統一しています。)

 巻き方向と巻き始め、巻き終わりの関係は、図示した2パターンのいずれかにあてはまると思いますので、Erase Boxを、「付けてみようかなー」とお考えの方は一度チェックしてみて下さい。但し、導線を傷つけないようにくれぐれも注意してください。断線してしまっては泣くに泣けません。
(弊社では切れたP.U.のリワインドも承っております・・・うへぇー。)

 又、大事な要素にもう一つ、「磁極の向き」がありますが、これは比較的簡単です。P.U.の上面から、他の磁石を近付けて、引き合うか、離れあうかを確かめればいいんです。3つのP.U.全てを同様に調べれば、全て同じ磁極なのか、一個だけ違っているのかはすぐわかります。但し、他の磁石を近付けるとき、必ず同じ部分でやることです。できれば、磁石にN極やS極の表示があるものや、一方の極に色が付いていて区別しやすいものがいいですね。

 あと、これは余談になるのですが。国産のブランドのギターで良く見るのですが、巻き方向は一見3つとも上図の図1のような「時計回り巻き方向」なのですが、実はミドルだけ巻き始めをホットにして、着磁を他の2つと逆にしてあるものがあります。この場合、「ミドルのみ逆時計回り巻き方向、逆着磁」としたのと同じ状態になります。チェックされる際はちょっと気をつけてみてみてください。